やすしの奇妙な牧物〜その誇り高き牧場〜第3話

僕はやすし
第2のキャラメル族を目指し牧場経営にやってきた
そんな僕の今日のお仕事は虫取りさ!


……


何故かは全く解らない
僕はおつかいを受託して流れるままに
虫取りのお仕事をやりにホイホイやって来たのだった。


?「あ、新しい牧場主の人やん、あんたがおつかいやってくれるん?」


ああ、ハイ…………ッ!?







「ウチはラズベリー。よろしくなー。」


わ…若い…!?しかも女の子だ!
おおう、今日まで家畜と爺さんばっかり相手にしていた僕としては
この華々しさは嬉しいですなぁ!



「じゃあ、早速虫取りの事教えるな。
 まぁ、そない難しないから安心してええで。」


まぁ、そりゃそうでしょうね
虫取り網があれば難しくはないでしょう
僕も子供の頃はよく野山を駆け巡って…



「何言うとるん、網なんて使わず手掴かみや!


…ホワイ?



「バッタなんかの地面を動く虫はなー?こう…静かに近づきつつ一気に…」


いやいやいやいや!
無理無理無理無理!
そりゃあ、子供の頃は野山を駆け巡りましたよ!
虫だって余裕に手掴かみは出来ましたけどね!
大人になるにつれてそんな事は忘れてしまった僕らは
失ったモノだと解りつつもそれはこれから文明社会に生きる人間として
いわば、危険察知と想像力を培った結果が今
必要なスキルが今
誰もが子供のままではいられない



「そんでなー。ちょうちょなんかは距離を置きつつジャンプで…」


純粋さと残酷さを併せ持ったままじゃあ
コミュニティの中じゃあやっていけないのは解っています
だからって「失った」なんて後ろ向きな考えをしている訳では無いんですよ
むしろ「得た」事によって様々な目線と考え方をですね



「じゃあ、おつかいや。マダラバッタを2匹捕って来て。」


バッタ…ま…まぁバッタくらいならいける…かな?
ええと、確認しておきたいんですけど
貴重なタンパク源的な意味じゃないですよね?



「いや、ウチらを何やと思うとるんや。」


まぁ、このまま飢えが続いちゃったら
僕的には冗談じゃ済まなくなりそうなんですけどね。あはははははハハッ!ゲイリー!!




そんな訳で牧場経営に来た僕に
野山を駆け巡りバッタを追いかける仕事が来たのでした
…アルェー?




うわぁ、バッタって固いのか柔らかいのかわかんないよぉ…
筋肉がダイレクトに手に伝わってくるよぅ…