やすしの奇妙な牧物〜その誇り高き牧場〜第2話


「今日はやすし君に掲示板の事を教えておこうと思っての。」



朝一でク村長の野郎が家に上がり込んできた
そんな事よりミルク代の入金の方が僕は大事なんですけど。



「ほれ、コレが掲示板じゃ。
 ここには村の人達のおつかいの依頼が貼付けてあるんじゃよ。」


しかし、あの出荷箱はどうなっているんだろう。
ミルクどころかその辺に生えていた雑草まで出荷できるとは
誰が買い取っているんだあんなもん
精を出してゴミを集りゃもう少しお金になったかも
……いや、僕は牧場経営しに来たんであって
そんなフロム段ボールみたいな生活しに来た訳じゃないよな
いかんいかん。



「村の皆が困っているのを見過ごせんからのぉ
 お前さんにも皆の助けになってやって欲しいんじゃ。」


いや、まず草食って飢えを凌いだ僕を助けて下さいよ。
っていうか俺もここにおつかい貼り出しとけばよかったんじゃ…


…貼れないよね!わかってるよ
主人公だからおつかいはやる側から脱却できないよね!


まぁ…いいですよもう…おつかいねぇ…
ん?…おつかいによっちゃ報酬が貰えるのか?
うん…それは今の僕には凄く有り難い事だ。
村の人とも打ち解けられるし、一丁やってみるか。


さてさて、今あるおつかいはっと…


「虫取り教えます!」


「魚掴み教えます!」


…おつかい?