やすしの奇妙な牧物〜その誇り高き牧場〜第4話

僕はやすし
牧場経営をやるためにはるばる虫を手掴かみにやってきた
そんな僕の今日の仕事は魚獲りさ!


何だろう、僕の中で何かが間違っていると叫んでいるけど
今日も僕はホイホイとおつかいにやってきたのだ。







「よう!こんにちわ!あんたが例の牧場主か!話は娘から聞いてるよ。」


あ、はい、どうも初めまして。
ええと、マリオさん…。



「いや、グラニーだ。動物屋をやっている。」


ああ、そうなんですか
配管工をやってらっしゃる。



「いや、動物屋だよ。牧羊犬とか、移動用の馬なんかを貸し出しているんだ
 馬車も取り扱っているよ。今度来てみてくれ。」


移動用の恐竜なんかは無いんですかね。



「無いよそんなもん!何で君は俺を配管工にしたがるんだ!?」


そりゃあ、その恰幅と鼻とヒゲ見せられたら…ああそう
魚獲りの件なんですけど。





「おう、娘からなかなかやるヤツだとは聞いてるぜ!期待してるよ。」


む…娘…?



ラズベリーだよラズベリー!親子で動物屋をやらせて貰っている。」


あ、ああ…あの娘さんですか
いやぁ、似てないっすねぇ!!



「何でそこでテンション高いんだよ
 まぁいいや、早速魚を2匹獲って来てくれ貰いたいんだが。」


ええ…ああ、そうだそれで網なんかは…。



「何を言うか、手掴かみだ!!


…ホワイ?



「いいか、気配を消しつつ近づいてだな…こう…一気に…」


いやいやいやいや!!
無理無理無理無理!!
そりゃあ、子供の頃は野山を駆け巡りましたよ!?
魚だって余裕に手掴かみは出来ましたけどね!
大人になるにつれてそんな事は忘れてしまった僕らは
失ったモノだと解りつつもそれはこれから文明社会に生きる人間として
いわば、危機管理と想定力を培った結果が今
必要なスキルが今
誰もが夢の中のままではいられない
っていうか何だよ、この親子の手掴かみへの執念は!?



「水の流れを邪魔しちゃあいけないぞ
 一体になる事が重要なんだ。自分は川の一部だと認識するんだ!」


そりゃあ、自分で魚を捌く事の無くなった昨今。
スーパーには加工品ばかりが並び、切り身が海を泳ぐなんて
冗談のような認識をしてしまっている子供も増えているとは聞きますよ!
命を、命を見せる事はリアルに生きている事を再確認させる



「それじゃあおつかいだチビワカサギとメダカを獲って来てくれ。」


あ、小魚なんですか…まぁそれくらいだったら大丈夫かな
いや、野生の熊レベルの技術を求められるかと思いましたよ…。




あぁん…魚って固いのか柔らかいのかわかんないよぅ…
筋肉がダイレクトに手に伝わってくるよぅ…